【オハナヒメのものがたり】みんなのしあわせが わたしのしあわせ
オハナヒメは、みらいたうんにある
ひろ~いおやしきにすんでいます。
いろとりどりのお花にかこまれてしあわせな まい日。
ある日 オハナヒメは、おさんぽ中に
ひとりぼっちのウィザーを見つけました。
さいきん みらいたうんにひっこしてきたばかりのウィザーは
たのしそうなじゅうにんたちから はなれたところで
なんだかすこし さみしそうに しています。
オハナヒメは すぐにうまをはしらせ、ウィザーのところにかけよりました。
「どうしたの? あっちにいって、みんなとあそびましょう」
ウィザーのとなりにすわって はなしかけるオハナヒメ。
するとウィザーの目から、ぽろぽろとなみだがこぼれおちます。
「はずかしくて、みんなにはなしかけられなくて、さみしかったんだ」
ウィザーはオハナヒメから目をそらし、かなしそうにうつむいてしまいました。
「だいじょうぶ、わたしにまかせて!」
オハナヒメはそういうと、りょう手いっぱいのハートがたのたねを
そらにむかってまきました。
まるでゆきのように ふわふわと ハートのたねがふってきて
たちまち そこらじゅうが、ピンクいろのおはなでいっぱいに!
「わぁ、きれい!!」「見て、すてきなおはなが さいているよ!」
オハナヒメのおはなに気づいたじゅうにんたちが、
つぎつぎと、ウィザーのまわりにやってきます。
「あれ、きみはだれ?」「へぇ、ウィザーっていうんだ」「いい名前だね」「よろしくね!」
じゅうにんたちが くちぐちに ウィザーにこえをかけ
あっというまに なかよしになりました。
ウィザーも なかまたちも えがおがいっぱい。
みらいたうんに またひとりあたらしいなかまがふえて、
とってもしあわせな オハナヒメなのでした。